終夏

お盆休みも終わり、ツクツクボウシが鳴き始め夏がさよならし始めています。
皆さん如何お過ごしでしたか?
僕は海やプールに行ったり、昆虫採集やそうめん流しなど夏を満喫しました。
その中でも面白かった出来事をお話しします。

それは光市の虹ケ浜に行った時の事です。
丁度行った時が大潮の干潮時であり、唯でさえ遠浅の虹ケ浜が極限まで遠浅になっていました。
なにせ少々沖合に出ても足がつくどころか、水深が大人の膝下です。
子供たちも体に浮力材を付けていたのですが、この水深なら大丈夫と思ったのか
「これとって!」
と言ったので妻と絶対目を離さないことを確認したうえで身一つにしてみました。
生まれたて初めての事だったので、子供たちは大はしゃぎです。
そうしている内に娘が
「貝見つけたー。持って帰るー。」
と見せに来ました。
見てみるとその巻貝は奇麗な模様をしていて、また生きていました。
娘にこれは生きているから持って帰られないとの事を言うと、息子は
「食べたい!」
と言ってきました。
願いを叶えてやりたいのは山々なれど、可食が是か非か不明だったので却下です。
その代わり、家族総出でその貝を集めてみようとなりました。
その時決まった巻貝の名前が「ドン」となりました。
砂の中に手を広げて探ります。
すると指に少し硬いものが当たるときがあり、それがドンです。
大人である僕と妻は続々掘り当てるのですが、幼児の子供たちには中々難しいようです。
「なんで取れないのー」
と息子は愚痴を言います。
頑張れ、息子よ!
そして漸くその時がやってきました。
「ドン取れたー!」
と笑顔を向けた次の瞬間、ドンは息子の手から水面へポチャンと落ちていきました。
何とも言えない顔をしていて、夫婦で大爆笑です。
疲れてきたのと遊泳時間も終わりに近づいてきたので帰宅しました。
その夜、ネットを検索してみてドンの正体が判明しました。
キサゴという貝でした。
美味なようです。
しかし残念なことに遊泳期間は終わってしまいました。
来年まで子供たちがドンの事を覚えているかどうかはわかりませんが、僕は取りまくろうかと思います。